事務所概要

信託

国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理である(憲法前文)。依頼人と弁護士との関係も、信頼・信託関係によって成立するものと考えています。

取扱業務

会社法関係、契約書の作成、相続、遺産分割、遺言無効と遺留分侵害額請求、事業承継と遺留分侵害額請求との関係、不動産訴訟、医療過誤(臍帯脱出)、交通事故その他法律相続その他

弁護士報酬

基本的には、弁護士会の報酬規の着手金・成功報酬の規定によりますが、ご相談して決めます。

登記請求権

遺留分侵害額の算定表について以下に事例を掲載致します。
画面下部の文字が見えづらい方は下からファイルをダウンロードしてください。

登記請求権

登記は真実の権利関係を反映し、その権利関係の沿った登記請求権が発生する。(X)が土地及び建物を購入し、登記の名義人を(Y)としても、Xは、買主(所有者)であることを立証して(特に、代金の支払など)、(Y)に対して、(X)への登記名義の変更を請求できる。もっとも、(Y)側から、(A)からの贈与や時効の主張がなされる場合があるが、殆ど効果はなく、更に、(Y)が(Z)に譲渡しても、真実の権利関係が変わらない以上、(X)への登記名義変更は可能である(登記に公信力がない)。但し、他人名義にする事は不正の目的もあるので慎重に配慮すべきである。
1、事案
ある家族関係において、長男(A)は事業の才覚があって、昭和40年、田園調布の土地及び建物を購入し、登記を妹(Y)名義とした。昭和55年6月15日、長男(A)死亡、その妻(X)と子(XX)(XXX)の3名が3分の1ずつ相続した。長男(A)死亡後、同58年10月18日、妹(Y)は、(Z)に対して、本件土地及び建物の1/4相当の持分を売却し、その旨の登記を完了した。 
2、裁判の提起
 当職は、(A)の相続人(X), (XX)、 (XXX)の訴訟代理人として、(Y)(Z)に対し、裁判を提起し、原告(X)、(XX)、 (XXX)らが、本件土地建物につき、各持分1/3の所有権を有することを確認し、被告(Y)(Z)に対して、真正な登記名義の回復を原因とする登記名義の変更を求めた。当初は、田園調布の不動産を買った、名義は、妹名義とすると書かれた(A)の日記に頼るしかなかった。(Y)、(Z)は、(A)の所有権(売買)取得を争い、或いは、(A)からの(Y)に対する贈与や(Y)自身の取得時効の主張をして争った。
3、判決理由
判決では、(A)が事業を営み、家計を一人で支えていたこと、本件土地建物の売買交渉は(A)によってなされ、代金の捻出源も(A)の営む事業による収益金であることを理由として、(A)が本件土地建物の買主である事実を認めた。(A)が本件建物を(Y)名義で登記したのは、事業に失敗したときに差押を受けるのを回避するためと考えられ、(A)が本件建物を(Y)に贈与したとの主張は認めないし、(Y)には所有の意思が認められないから、時効取得の主張も認められないと判示した。
4、判決主文
1 原告(X)(XX) (XXX)らと被告(Y)及び被告(Z)との間において、原告(X)(XX)(XXX)らが、本件土地及び建物につき、各自持分3分の1の所有権を有することを確認する。
2 本件土地及び建物につき、原告(X)(XX) (XXX)らの持分を各3分の1とするため、各原告(X)(XX)(XXX)らに対し、被告(Y)は持分4分の1宛及び被告(Z)は、持分12分の1宛の、いずれも真正な登記名義の回復を原因とする所有権一部移転登記手続をせよ。
5、和解
1 判決主文には、前項4の判決主文以外に、被告(Y)及び被告(Z)は、原告(X)(XX) (XXX)らに対し、本件建物の二階部分の明け渡をせよ。加えて、被告(Z)は、各原告(X)(XX) (XXX)に対して、1か月賃料相当の○○円の金員の支払をせよ、とあった。勿論、これらも原告らが請求したものである。被告(Z)は、(A)(Y)の末の妹の夫であり、大企業の課長の職にあって、唯一、裕福な存在であったから、原告(X)(XX) (XXX)のために、経済的保障の措置が必要であった。
被告(Y)及び被告(Z)は、東京地裁の判決を受けて、東京高裁に控訴した。早速、高裁の裁判官から、本件土地及び不動産の1/3 の持分を控訴人(Y)及び同(Z)の所有とする和解の提案があった。被控訴人(X)(XX) (XXX)らの了解を得て、東京高裁において、その旨の和解が成立した。
本件土地の地積は、267・73平方メートル(80・99坪)であり、渋谷の東急不動産に売却を依頼したら、バブルの走りであったのか、即座に売却できた。当職は、裁判の依頼に際して、着手金を徴していなかったので、成功報酬として、回収額の15%を約束していた。2/3 の売却益の15%相当の報酬を頂戴したのである。

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 ハムレットのセリフと抑止力の関係
今回は、戦争の抑止力について、文学の観点から考察したい。丁度、今、中断しているが、別稿「ハムレットのミステリー」で扱っている内容が参考になる。ハムレット第3幕第1場の台詞として、
To be or not to be, that is the question(B)
とある。河合祥一郎教授によると、この独白をめぐって、40例以上の日本語訳があって、百家争鳴の感を呈しているとある(NHKテレビテキスト ハムレット・シェイクスピア)。ハムレットの父デンマーク王が庭で昼寝していたとき、弟クロ-デイアスがひそかに忍び寄り、水銀の猛毒を王の耳に注いで殺害する。喪に服するいとまもなく、弟は、王のお妃(=ハムレットの母)と結婚して、王位に就いた。ハムレットは、「今の世の中はタガが外れている」と独白して、母親に対する不信感を露わにし、クロ-デイアスに対する復讐心に燃える。上記日本語訳の中で、字句の解釈はともかくとして、
(やる、やらぬ、それが問題だ)
(小津次郎 (「世界文学全集 十」)筑摩書房)
といった翻訳がもっとも直截的であると考えている。僕の仮説であるが、シェイクスピアは、当初、(B)の台詞ではなく、
 To take revenge or not to take、that is the question(A)
(復讐すべきか、否か、それが問題である)
といった構成を取っていたと推定している。これは(やる、やらぬ、それが問題だ)と同じ意味かと思う。ハムレットは恋人オフェーリアに逢う際に(B)台詞を告白するのであるが、クロ-デイアスは、ハムレットが、父の死因に不審を抱き、狂気を装っているのではないか、と不信を募らせている。そこで、物陰に隠れてハムレットの言動を観察する。もし、(A)の台詞が独白されたら、クロ-デイアスは、ハムレットの復讐の念を察知して、ハムレットの命運は尽きてしまう。こうした展開の中で、シェイクスピアは、作品の基本的テーマである(A)「台詞」の「復讐」とは表裏の関係にあって、復讐に対する相手方からの反撃によって、自分が被るであろう被害、つまりは、ハムレット自身の生か死かの問題を取りあげて(B)「台詞」の構成にしたものと推定している。人間は、相手に攻撃を加えることは比較的容易に造られている。しかし、相手からの反撃が予測される場合、今度は自己の生死の防衛本能が浮上して不安や焦燥感に駆られ攻撃自体を自制する。攻撃に内在する自制心(抑止力)が働くのである。ということは、相手に反撃力があれば、攻撃は自制され、なければ、容易に攻撃される。戦争の抑止力も同じ原理である。さて、ハムレットの(B)の台詞の意味について、付言しておきたい。河合祥一郎教授は、舞台での演劇的効果の観点から、人口に膾炙された(生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ)との言い回しを採用したと述べている。舞台でのインパクトを与える表現としては異論はない。昨今では、英国の本場では、背広を着た「ハムレット」が演出されている。しかしながら、一方、40余のさまざまな日本語訳があって混乱している事実も否めない。生か、死か、それが問題であるとの意味は、あたかも、人生の難問をして人間の理性で解決できるとの印象を与えている。この意味において違和感を免れない。シェイクスピアは劇作家であり、人の魂に訴える偉大な詩人である。恐らく、台詞(B)の前段の生か死かの二者択一の問いかけ(自問)=後段(that is the question)として構成したものと考えるべきであろう。後段の(the question)とは、「問題」の意味ではなく、「質問」の意味であり、前段=後段であって、後段は前段を強調したものに過ぎない。よって、(B)の台詞は、(神に対する・自己に対する)生か死かの二者択一の問いかけ(自問)を意味する。「人生とは何か」「神とは何か」といった未知なるものへの問いかけ(自問)は文学の生命線である。「ハムレット」の作品は、(B)の「自問」を契機として、(自答として)ハムレットの身辺に起こる偶然の出来事などを介して、自己の生死を凌駕する公の崇高なるものを自覚して、自分の生死を超越した心境(悟り)に達した過程が描かれているのである。従って、舞台での言い回しはともかく、(B)の台詞の後段の(それが問題である)との翻訳は誤訳であると考えている。
以上

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